性別リバーシブルと男女格差

21/32
前へ
/273ページ
次へ
「――わかった、何だか知んねぇけどよくわかった」 「矛盾してるッスよハーロックさん」 「バカ野郎、細けぇ事は気にすんな!」 色々あったが、どうにかハーロックは目の前の人物がジャックとマリーであると信じたらしい。 ガゼルの顔から疲労の2文字が見て取れるので、余程苦労したのだろう。 だがここで補足しておくと、彼は目の前の2人をジャックとマリーだと理解しただけであって、どういう原理で性転換しただとか、そういう事は一切理解していない。 一応説明を試みたが、彼では頭の容量が足りなかった。 「僕達の事、信じてくれたかい?」 「まぁガゼルにあんだけ説明されりゃあ信じるしかねぇだろう」 ハーロックは2人がジャックとマリーだと意識した上で、もう一度彼等を見る。 最初こそ驚いたが、不思議な事にこれもアリかなと思った。 ジャックに関しては未だちょっと抵抗感があるが、マリーに抱かれて大人しく丸まっている少女の姿も、それはそれで様になっていると感じる。 海の上で悪態をつきあっていた青年の姿が懐かしい。 ハーロックはそんな感慨に耽りつつ、彼等がここへ来た目的を尋ねる事にした。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加