僕らの腕は恋人の証

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「寿々歌…お前色々とズルいねん…。憎らしかったり、可愛いことしてみたり…。一体俺をどうしたいんや」 "可愛い" 今までの関係じゃ 絶対に聞けなかった言葉 (ホンマに夢みたい) 「あのな…このままで聞いてくれへん?」 「…なに?」 「ホンマは寿々歌にもらったリストバンドもしたいねん。でも、優奈は大切な仲間やから…」 「分かってる。うちやって優奈は大切な友達やもん。友達にもらったプレゼントはつけた方がええって」 (もしうちが崚行の立場でも、どっちかなんてきっと選べへん。今うちに出来ることは…迷わせんようにすることやろ?) 「でも、寿々歌」 「ホンマ大丈夫やって!だって崚行の気持ちがあることは分かってるから。それにな…」 一度崚行から離れると あげたリストバンドを うちは自分の腕につけた 「ほら、これでお揃い」 彼の同じ赤く光る腕 まるでそれは 恋人の証のようにも見えた 「つけてもらうのもええけど、お揃いはもっと嬉しいから。…崚行は嫌?」 「ううん。めっちゃ最高。さすがは寿々歌や」 はにかむ崚行とうち そしてお互いに お揃いのリストバンドで ゆっくりと手を繋ぐ それはきっと どこのカップルよりも ずっとずっと温かい だってうちらには "恋人の証"があるんやから  
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