プロローグ

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「…………いえ、無事に登校できたようで何よりです。」 彼女にようやくまともに話すことができた。 「あれ? やっぱり光(ひかる)ちゃんだったんだ。おはよう光ちゃんっ! 今朝は大丈夫だった!?」 「うんっ! 美奈ちゃんおはよう! ……あれ? 美奈ちゃん、今朝のこと知ってるの?」 「うん。ちょっと離れたところで淳也と見てたから」 「そうだったんだ……うん。この人が助けてくれたから大丈夫だよ!?」 ………あれ? 美奈さんと今朝の少女は何かしらの知り合い? 「……2人は知り合いなのですか?」 「そうよ。私の遠い親戚で、淳也や零 貴方達と同じ年齢よ?」 「………そういえば美奈は俺らと違って、年齢は1つ上だったな」 ……そうなのである。美奈は2年前程だったかな? 大病を患って半年以上入院してたから1度留年している。……と まぁ 今とは関係無い話だが。 さて、そろそろこの少女のフルネームを聞かなきゃ……さっきからドキドキしっぱなしだけどね。 「ちょっと話が止まってしまいましたが……貴女の名前をお聞かせ願えませんか?」 「……あっ すいません。まだ言っていなかったね。私の名前は山崎 光(やまざき ひかる)っていいます。貴方の名前は何?」 山崎さんも顔を赤くして俺に問い返す。 「俺も名乗っていなかったですねぇ。俺の名前は水嶋 零っていいます。美奈さんからは零、淳也君からはゼロと呼ばれています。」 「水嶋……零君ね……。分かった。今朝は本当にありがとう 水嶋君っ! そろそろチャイムが鳴るから自分の席に行くね。それじゃ!」 そう言うと、山崎さんは顔が赤いまま自分の席まで行った。 何と言うか……たくましい娘という印象だなぁ。 それはいいとして……何さ? このバカップルのニヤケ顔は? 「……今度は何ニヤケてるんですか?」 「いや、別にぃ? ゼロが百面相みたいに表情がコロコロ変わるから面白くてな」 「……俺は見せ物じゃないですよ。ほら、早く自分達の席にお戻りなさい!」 キーンコーンカーンコーン………。 「……あ、ちょうどチャイム。じゃあね2人共」 2人は自分達の席に戻った。
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