プロローグ

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「……ハイ皆、HR始めるよ!?」 担任の先生が入ってくるなり言う。 「今日は皆に報告することがある! 今朝、そこにいる盲腸から復帰した山崎さんが、4人ぐらいの悪漢に絡まれたそうだ!」 担任の口から言われたのは今朝のこと。てか山崎さん、盲腸で入院してたんだ……って今はそれは置いといて、いつの間にそのことを知ったんだ? ……まぁ考えるだけ無駄か。 担任が言った途端、クラスのほとんどが騒ぎ始める。あの娘はやはり人気者なんだなぁ。まぁ、容姿と性格が良さそうだから当然っちゃ当然か。 「ちょっと静かにしなさい!」 一瞬で静まりかえる。 しかし、皆の顔は やはり疑問の表情をしている。そりゃそうだろうな。そんな面倒な目に遭ったのに普通に登校してきているわけだから。 「……皆、やはり疑問があるようだな。何故その彼女が普通に登校してきているのか……」 皆(事情を知っている俺達4人を除いてだが)一斉に頷く。 それを確認し 担任は続ける。 「…皆の予想通り、この話には続きがあるが……驚かないで聞いてくれ。 その絡まれていた彼女を、1人の男子学生が助け出したという話なんだ。それも同じ学校の!」 再び騒ぎ始めるクラスのヤツら。 「ハイハイ静かに! ……そこで山崎さん、先生からの質問なんだが、誰が君を助け出したのか分からないかな?」 ……唐突に彼女に質問を投げ掛ける。 彼女の反応はというと…… 「……あの……えっと……その……」 顔を赤くして俯きながら口ごもるのみ。なぜそんな反応なわけ? 山崎さん
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