3人が本棚に入れています
本棚に追加
少年とセェシェは気配を消しながら、薄暗い森を歩く
『…向こうに魔物がいる。毒は持っていない』
「ありがとう。向こうに行くかぁ…」
セェシェは鼻で器用に魔物が居る場所を指す。少年とセェシェは其方に行くと決めた時走りだすのだが風のように速く、目では追えない位の速さだ
魔物が居る場所についたと思うが、少年がもう魔物を剣で刺していた
急所に剣が刺さったのか、傷はなく剣が刺さっているだけで魔物はグッタリと白目で死んでいる
「今日はこれで良いな。次は人間の所に行くか…」
ため息をついた少年は魔物が居た逆の方向へと歩きだす。セェシェは渋々ついて来ているが怒っている様子
『人間なんかほっとけば良いものを…お人好し』
セェシェは少年より少し前に出て歩く。少年はセェシェを見て苦笑いする
「そういうなよ。良い人間だっているぞ?」
セェシェは目尻から少年を見て『フンッ』なんて言っている
『……まぁ、───は良い人間だがな』
セェシェは少年の名前───そう言うと更に速く歩く。少年はセェシェの発言に驚いたが、直ぐに微笑む
「ありがとう」
少年の前に歩いていたセェシェは少し尻尾を揺らしながら歩く。
無意識に尻尾が揺れているのだろうが、尻尾で感情が分かってしまうため、セェシェが可愛いく見えてしまう
[キャァァァァァア!!]
「ッ!!!?」
穏やかだった時間がパッと変わる。少年が向かっているほうから叫び声が聞こえた
『人間だ…直ぐ近くに魔物がいるな……』
鋭い瞳で見抜くように言うとセェシェは少年の所に戻る
「行くぞっ!」
この掛け声で少年とセェシェは叫び声が聞こえた方へと走りだす
.
最初のコメントを投稿しよう!