地球が静止する日

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 川原でたくさんの男たちを背後にし、目の前にいる大男になぐりかかっている少年がいた。Tシャツに短パンという野性的な服装をし、複雑なケーブルのイヤホンを立てている少年。天空烈。  彼は喧嘩を趣味にする不良である。と言っても、学校の授業はちゃんと無遅刻無欠席居眠りなしの皆勤賞だ。言うなれば強い奴と戦いたいというバカなのだ。  大男をあっさりと倒してしまい、その場を後にしようとする烈とその取り巻きたち。  川原を離れ、橋の上を歩いている。後ろにいる取り巻きたちは「今日の晩飯何食う?」「烈さんは無敵だな」等と、他愛もない会話を耳にする。  と、足が何かにぶつかった。だが目の前には何もない。こう言ってはなんだが、烈はそれなりに背が高く、足元に何かあっても視界に入らないことが多い。  下を向くと、そこには目を疑うものがあった……。 「……」  そこには、金色の長い髪をして、Tシャツにジャケット、ジーパンを履いた少女が横たわっていた。 「……誰だよこれ?」  まずはそんな台詞がこぼれた。  よく見るとそれなりに整った顔立ちをしていた。目はやや小さめだが、低い鼻とマッチしていて違和感はなかった。背丈は平均弱といったところだろうか。腰は締まっていて、胸はそれなりに大きい……。  と、そこで烈は我に帰った。自分はなんてふしだらなことを考えているんだろうか……。だが、この顔を見ているとなんだか癒されるというか、吸い込まれるというか、ずっと見ていたくなる……。  カチャッ……。カチャ……。  背後から金属が擦れ会うような音がした。
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