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もうガス会社前の銀行が目前だ。
その手前の信号で、2人は黙ったまま信号待ちをする。
後ろから、コンビニの明かりが2人を照らしていた。
「そうだよ!!香も仲間になればいいんだ!!」
交差店内の信号が全て赤になった時だった。
寛太郎が顔を上げて、明るい声を上げた。
あまりに突然で香は本気で驚いた。
隣に立っていた寛太郎を見ると、その目はキラキラと輝いているようだった。
信号が青に変わり、2人はゆっくりと歩き出した。
横断歩道を渡りきるまでの間、寛太郎は目を輝かせて「そうだよ!!」と呟いていた。
香はなんだか気味の悪さを感じずにはいられなかった。
自分、なんか危ない奴と付き合ったんじゃないだろうか。
そんなことが頭を過ぎり、香は頭を振った。
こんな優しいイケメンが、そんな変な奴なわけない!!
ぶつぶつ何かを呟いている男の横で、自分に言い聞かせる香。
信号を渡りきると、寛太郎が急に立ち止まり香の肩を掴んだ。
「香も仲間になればいいんだよ!!そしたら毎日一緒にあそこに行ける!!」
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