第1話 出会いは春風に乗ってやってくる!

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いやいやいやいや!!! なにが?!と、香は思った。 ぶつぶつ何か言ってたと思ったら、今度は突然すぎる。 見開いた目で寛太郎を見たが、寛太郎はそんな香を真っ直ぐに見据えて、目を輝かせていた。 その表情は恍惚の色を見せている。 「香もイカレンジャーになろう!」 「イカレンジャー?」 「そう!!なんで今まで気付かなかったんだろ?!」 嬉しそうに寛太郎が目を細めたが、香には全く話が見えなかった。 イカレンジャー? なんなんだろう。そのダサい名前は。 肩をつかんだままの寛太郎をなんとか落ち着かせると、2人はまた冷たい夜風の中、とりあえずタクシーを止めた。 タクシーに乗り込むと、香は寛太郎を見ずに口を開いた。 さっきの話をわかるように話なさいって。 すると、寛太郎が香の耳元に口を近づけて小声で答えた。 「明後日、バイトが休みでしょ?その日またスナックに行こう。  そこでちゃんと話すから。」 そういうと体勢を直して、香に微笑んだ。 「なんで今じゃダメなの??」 香は不審な目をして寛太郎を見た。 すると、また寛太郎が口を耳元に寄せる。 そうされると、香はなんだかくすぐったい気がした。 「運転手さんに聞かれちゃうでしょ?」 ふと見ると、バックミラー越しに運転手さんと目があった。 2人がコソコソ話しているから、怪しんでいるのかもしれないと香は思わず目を反らす。 そして、小さく頷いて納得したことを寛太郎に伝えた。
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