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カイは今、広い部屋に一人ポツンといる。 大男の老人はみんなを呼んでくると言って、どこかに行ってしまった。 (一人にされたけど、どうすればいいのだ。) カイがそう思っていると、見知らぬ四人が入ってきた。 三人は男で、一人が女だ。 白髪の大男。 黒髪の大男。 黒髪で一般人並みの体つきをしている男。 黒髪で一般人並みの体つきをし、長い真剣を背負っている女。 「………。」 カイと他の四人はなぜか向き合っている。 カイはその場にいずらい。 みんな無言である。 逃げ出そうとして立ち上がった。 「これこれ、待つのじゃ。お茶をいれてきたぞ。」 大男の老人が戻ってきた。 部屋にいる全員にお茶を配っている。 (いつの間に入ってきた。) カイは思う。 「ほれ、お茶じゃ。」 大男の老人はカイにお茶を渡す。 「あ、はい。」 カイがお茶を受け取ると、大男の老人は見知らぬ四人のところに向かう。 「そういえば、皆の紹介をしなければいけないのう。」 白髪のがっちりした男を指差して 「ルサイン・アムチャじゃ。」 「よろしくね。アムチャだよ。」 アムチャはカイの手をとり握手をする。 (いてて、力が強いな。) カイはてをひらひらさせる。 大男の老人は今度は黒髪のがっちりした男を指す。 「ジャンヌ・エトルじゃ。」 「ふん。」 エトルはご機嫌が悪そうだ。 腕を組んでそっぽを向いている。 (僕、なんか悪いことした?) 次に大男の老人は黒髪で一般人並みの体つきをした男を指す。 「トーマス・マーシャじゃ。」 「どうぞよろしく。」 マーシャは丁寧に挨拶する。 (礼儀正しい人だな。) 大男の老人は最後に真剣を背負った女を指す 「スカイ・レインじゃ。」 「どう…も。」 レインは背負っている真剣に手をかけている。 (もしかして僕、警戒されている?) カイは小刻みに震えた。 大男の老人は自分を指す。 「そして、わしはリッチー・テムジンじゃ。」 ズズッ テムジンはお茶を飲んだ。
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