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テムジンたちの紹介が終わる。
「で、おぬしの名前はなんじゃ。」
テムジンはカイに質問する。
「キース・カイです。」
「カイとやら、ここには技を極めし達人たちが集う場所じゃ。」
「はい。」
「なぜ、ここを訪ねて来たのじゃ?」
「強くなって、自分の正義を守るため。」
カイの目には光がある。
「「「「「…………。」」」」」
達人五人は黙ってしまう。そしてテムジンが沈黙を破る。
「カイくんは、何をやりたいのじゃ?」
「魔力が僕にはあまり無いので、武術をやりたいですけど。」
「武術なら、エトルがいいね。」
マーシャが答える。
「俺は人に教えることは大嫌いなんだ。弟子なんかとらねー。」
エトルは教えるきはなさそうだ。
カイは俯いてしまった。
「僕…マーシャがいいと思…う。」
レインが口を開いた。
「私かね。」
「そうじゃのう。マーシャなら常識あるから大丈夫じゃ。他の人になるとちいとばかし厳しくなるので死んでしまうかもしれないからのう。」
(え?死ぬ?)
カイは冷や汗をかく。
「仕方ない、それでは始めるかね。」
マーシャはカイを鍛えることにした。
――――――――
場所はラ・テンシャの門の前。
エトル以外の達人四人とカイがいる。
「さて15㎞、このタイヤを引っ張っていこう。」
マーシャはカイにタイヤに付けたヒモをくくりつける。
「え、そんなに!あと、なぜトーマス先生がタイヤの上に乗っているんですか?」
「私を乗せて走るのだよ。」
「きついと思うんですけど。」
「え?全然きつくないよ 。」
マーシャは涼しい顔で答える。
(この人の常識では全然きつくないのかな。)
「さ、行きたまえ。」
マーシャはカイを急かす。
「歩いていけとでも言うんですか。」
カイは文句を言う。
「ちが~う。走るのだよ。」
マーシャはタイヤの中をごそごそと何かを探す。
「さ、行きたまえ。」
ピシッ
「いたっ。」
マーシャの手には鞭が握られていた。
「僕は馬じゃないですー。」
とカイは叫びながら走りにいった。
「死ぬ~~。」
「そう言ってられるうちは死なないよ。」
ハッハッハとマーシャは笑いながら言った。
遠くからエトルは様子を見ていた。
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