転機。

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「どうしたんだい? 別に迷うほどの選択でも無いだろう。これ以上俺の邪魔をしないなら、どこにでも行けばいい。」 もう夜も遅い。早目に厄介ごとは片付けて帰りたいのである。 明日も学校がある以上、十分な睡眠を取らねばならない。 「…………………………っ! お前、避けろ!」 「へっ?」 と、何故か少女に飛びつかれて、俺は一緒に吹っ飛ぶが。 その直後、さっきまで俺がいた場所が焦土と化した。 「く、く、く、この僕の話を遮った上に僕の美顔を殴りやがったなぁ! コロスコロスコロス殺す! 僕のこの“火の禁呪”でなあ!」 その瞬間、男の体が紫色に包まれて。 「ちっ、こっちだ少年!」 少女らしからぬ怪力の吸血鬼に引っ張られ、またまた俺は引きずられて走る走る。 あっという間に一キロは走った。 「おい、お前、あいつは一体何だ? 無詠唱であのレベルの魔法を使える奴など俺は知らんぞ。」 「あいつは私の敵だ! 私を怪しげな研究に使うためにずっと追いかけ回してきた! あの奇妙な炎のせいで碌に戦えない!」 へえ。やっぱり変態だ、少女をストーカーするとは。 「で、どうするんだ?ずっと逃げっぱなしって訳にもいかないだろう。」 「人目につくところではあいつも姿を現さない! だからここの駅から人混みに紛れて逃げようとしたんだ!」 「ふうん。」 なるほど、大体の状況は理解した。 「だが、無理だなそれ。」 と、俺は少女の手をふりほどき、 、、、、、、、、、、、、、、、 脚に炎を纏って高速で飛んできた 、、、、、、、、、、、、 男の顔を力一杯殴りつけた。
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