転機。

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「で、あるからして、この方程式に条件式を加えて~~」 (眠い。大体アプローチが回りくどいんだよな、この先生。) 退屈な授業を欠伸を噛み殺しながら真面目に聞き、休み時間は友達と適当に話す。 ここまではいつも通りの日常だった。 終礼後。 学校の制服から黒を基調にした上下に着替えて。 俺は一人ギルドに向かった。 俺は一人暮らしなので、何かと金が必要になる。 そこで、賞金も入るし鍛錬にもなるギルドの依頼を受けている。 今の俺はBランク。一般的な学生はCかDだから、それなりに高い方ではある。 「お、宗也じゃねぇか。どうだ、調子は?」 と、身長も横幅も俺の1.3倍はある男が話しかけてきた。 「まあまあだよ、マスター。何か良い依頼無い?今月金欠気味なんだよね。」 「そうだな。え~と、この依頼なんかどうだ?」 なになに。 「シルバーウルフの群れの討伐?」 「ああ。お前なら簡単な依頼だろ?場所がちょっと遠くて国境沿いの森なんだが、その分賞金が高い。」 確かに。これなら交通費を含めても充分お釣りが来る。 「じゃ、これにするよ。」 「お、そうか。気をつけてな。」 そう。少し場所が遠いが、シルバーウルフの討伐は慣れている。 なんてことのない楽な依頼のはずだった。
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