835人が本棚に入れています
本棚に追加
「で、あるからして、この方程式に条件式を加えて~~」
(眠い。大体アプローチが回りくどいんだよな、この先生。)
退屈な授業を欠伸を噛み殺しながら真面目に聞き、休み時間は友達と適当に話す。
ここまではいつも通りの日常だった。
終礼後。
学校の制服から黒を基調にした上下に着替えて。
俺は一人ギルドに向かった。
俺は一人暮らしなので、何かと金が必要になる。
そこで、賞金も入るし鍛錬にもなるギルドの依頼を受けている。
今の俺はBランク。一般的な学生はCかDだから、それなりに高い方ではある。
「お、宗也じゃねぇか。どうだ、調子は?」
と、身長も横幅も俺の1.3倍はある男が話しかけてきた。
「まあまあだよ、マスター。何か良い依頼無い?今月金欠気味なんだよね。」
「そうだな。え~と、この依頼なんかどうだ?」
なになに。
「シルバーウルフの群れの討伐?」
「ああ。お前なら簡単な依頼だろ?場所がちょっと遠くて国境沿いの森なんだが、その分賞金が高い。」
確かに。これなら交通費を含めても充分お釣りが来る。
「じゃ、これにするよ。」
「お、そうか。気をつけてな。」
そう。少し場所が遠いが、シルバーウルフの討伐は慣れている。
なんてことのない楽な依頼のはずだった。
最初のコメントを投稿しよう!