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「人が真剣に悩んでつけた名前にお前はーっ!」
「うえええんっ!」
シニエルは激怒した。
マカロニは泣き叫んだ。
料理はひっくり返った。
それはもう、酷い有り様だった。
「おどうさんがなぐづだ~!」
今まで殴られたことなんて無かったマカロニは、泣きながら家から飛び出していった。
「こらっ、待ちなさい!」
シニエルも後を追って外へ出る。
しかし、そこでは非難がましい目を向けているご近所さん達が、ずらりと並んで待ち構えていた。
「シニエルさん…、何をしてたんですか?」
おばさんの一人が眼光鋭く聞いてくる。
あまりの迫力に怖じ気づいたシニエルは何と答えればいいか分からず、一瞬言葉を詰まらせた。
「こすめてぃっくばいおれんすだようっ」
そのおばさんに泣きつきながら、マカロニは大きな声で言う。
「それを言うならドメスティックバイオレンスだろっ!」
思わずシニエルは突っ込んでしまったが、それと同時にいっそう睨みつけてくる視線が強くなった。
「DV…ね…」
おばさんがなる程としたり顔で言う。
しまったと思った時にはもう遅く、シニエルはマカロニの策略に嵌ってしまっていたのだった。
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