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それからのことはシニエルは思い出したくもなかった。
虐待をしたと言われ警察へ連れて行かれ、必死にシニエルは謝った。
しばらくはご近所さん達は目も合わせてくれなかった。
それもこれも、マカロニのカリスマ性があったからこそ為せる業であろう。
そして何より、シニエルが一番堪えたのはへそを曲げたマカロニが口をきいてくれなくなったことだった。
「…なあ、そろそろ許してくれよ、父さん寂しさで死にそう」
夕食時、決まってシニエルはマカロニに謝っていた。
しかしそんな言葉には聞く耳持たず、マカロニはぷいっとそっぽを向く。
「頼むよ~」
ダメ親父だった。
「…じゃあ、シャドウってなまえみとめてくれる?」
ずっとこのチャンスを窺ってかのように、マカロニはそう提案した。
シニエルからすれば突然の提案だったので、「ちょっと待ってくれ」と言うとしばらくうつむいて黙り込む。
シニエルは悩んだ。
更に甘やかしていいものか…。
様々な思考を重ねていったが、答えは一つしかなかった。
「あ、ああ勿論だ!」
やっぱりダメ親父だった。
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