227人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はその場に立ち尽くした。
いったい何が起こったのか、頭の整理がよくできていなくて。
◆
俺は外の騒がしさに目を覚ました。
ちょうど自室でうとうとしていたときだった。
はじめは小学生が元気に騒いでいるのだと思った。
それならどんなに良かったことか。
目の前にあるのは数台のパトカーとワゴン車、救急車、立ち塞がる警官――そしてそれらを好奇の眼差しで見守る野次馬たち。
そして何より俺を戦慄させたのは、野次馬に囲まれているのが、あの千幸さんの家だということだった。
「うそ……なんで……」
だから俺は、そう口にしてただ立ち尽くすしかなかった。
「二人とも、可哀想に……」
.
最初のコメントを投稿しよう!