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俺の家は大正時代に建てられたため、玄関にチャイムがない。
なので、その代わりに玄関から大きな声が聞こえた。
「ごめんくださーい」
「はーい……――っ?」
玄関の引き戸を開けると、そこにはスーツを着た二人の見知らぬ男が立っていた。
一人は眼鏡を掛けた中年。羽織っているジャンパーの下からはくたびれたワイシャツが覗いている。
もう一人は、若い。コートの下には比較的新しくて清潔感のあるスーツ。歳は20代後半くらいだろうか。
彼らの独特の雰囲気に、俺は思わず息を飲む。
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