FILE.2「仲間」

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(……やっぱり) ひとつだけ思い当たるもの。それは、俺に殺人の容疑が掛けられていることだ。 「いい加減なこと言わないで!」 「いい加減じゃないよ! 佳音ちゃん信じて!」 咄嗟に佳音が言ったが、滅多に大きな声を出さない玲奈の反論を聞いて、それ以上は言えないようだった。 「――俺の指紋が出たってのは本当みたい」 声を発した瞬間、みんなの視線が俺へと移る。 俺はいつの間にかそう口にしていた。寒さのせいなのか、身震いが止まらない。 視線で体に穴が空きそうだ。 歯を食いしばって、ひたすら耐える。 .
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