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「……綱吉。報告書持ってきたよ。」
恭弥は一度も笑わず綱吉へと報告書を渡した。
《あれからどれだけ時がたっただろう。
君がいない毎日がこんなに長いものなんて
今でも鮮明に覚えてる。
君の笑顔、髪型、仕草や匂いまでも…
何一つ欠けることなく覚えてる。》
恭弥は骸が消えてから物思いにふける時間が多くなっていた。
そんな恭弥の姿を見て綱吉は報告書に印を押したこと知らせようと恭弥の名を呼んだ。
だが恭弥の返事はなく、綱吉は仕方がなく声を張り上げた。
「……りさん……雲雀さん!」
「ッなに?」
綱吉の声に気づいた恭弥はビクリと身体を揺らすと綱吉へと顔を向けた。
「報告書に判子押したから、持って行って大丈夫ですよ。」
綱吉はニコリと笑うと恭弥に報告書を渡した。
恭弥はソレを受けとると目を伏せた。
「そう…。」
そう呟くと恭弥は綱吉へ背を向けドアへと足を進めた。
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