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逢イタイ。
逢イタイ。
スゴク逢イタイ。
寂シイ。
寂シイ。
アァ僕ハ壊レテシマウヨ。
恭弥の心の中は
灰色だった。
暗く明るい灰色だ。
世界の中心が
僕だったらいいのに
恭弥は廊下を歩きながらそんなコトを考えていた。
そうしたら骸は帰ってくるはずでしょ
僕の望むもの全て帰ってくるでしょう?
誰に問いかけるでもなく恭弥は1人心の中で呟いた。
その言葉に返ってくるはずのない返事を望みながら。
「骸…」
誰かに一言もう骸は帰って来ないと
恭弥は言ってもらいたかった。
そうすれば全てをリセットしてなにもなかったかのように振る舞えるのに…
「…骸は帰って来ねぇよ」
恭弥は勢いよく振り向いた。
そして悲しそうに嬉しそうに呟いた。
「君にそんなコトを言われるなんて驚いたよ………………………………………………………………………………………………………………………獄寺隼人。」
「ははっ…ぃ…ッ……
十代目が心配してンだよ。
てめーもわかってンだろ?
骸は帰って来ねぇってよ…」
隼人は恭弥を見つめると痛む腹を押さえながら笑った。
「…………てゆうか君、その傷全く治ってないんでしょ?病室から抜け出してたら綱吉に怒られるよ。」
恭弥は隼人を見てクスリと笑うと隼人のお腹をつついた。
「…っ……痛てぇ!!」
隼人は痛む腹を抑えながら恭弥を睨み付け、
ハンッと鼻で笑った。
「テメーこそまだ癒えてねえみてぇじゃねえか。」
「…何が?」
恭弥は隼人の言葉が理解出来ず、眉間に皺を寄せた。
「心の傷。まだばっちし残ってるみてぇだな…」
悲しそうな目で隼人は恭弥を見た。
そしてポケットから一枚の写真を取り出した。
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