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「…何が言いたいの?」
隼人はピラッと写真を恭弥に見せた。
その写真にはにこやかに笑う骸と恭弥の姿があった。
「あんたあいつといる時、いつもこんな顔してたんだぜ、笑えるよな。」
恭弥はその写真を見て顔を強ばらせその写真を手にとった。
「…あの時が一番幸せだったからね。」
そして“もう一度だけ逢いたいよ”
と呟くと恭弥は顔を歪ませ写真をクシャッと握った。
「…泣くな。テメーらしくねぇんだよ、群れんのが嫌いなんだろ?
だったら人に依存してんじゃねぇ。」
隼人はわざと冷たく言ってのけた。
恭弥は隼人を見つめながら悲しそうに微笑した。
「…泣くわけないでしょ。まさか君に励まされるなんてね」
恭弥は隼人を見つめながら微笑し、隼人の髪を撫でた。
「別に励ましてなんかねぇっ」
隼人は恭弥の手を払い除けると、警戒するように唸った。
だが、恭弥と目が合うと隼人は口の端をつり上げて笑った。
「せいぜい苦しめよ、じゃあな」
そう言い隼人は恭弥の隣りを通り過ぎた。
「待ちなよ。」
パシ…ッ
恭弥は隼人の腕を掴むと引き寄せた。
「っ‥ひっぱんなよ‥いてぇ……………………………………………………………………………………雲雀???」
隼人は固まった、
恭弥の顔が近付く、
「ぉい…雲雀…!??」
ガタタッ
強い力で腕を押さえ付けられ隼人は恭弥に唇を奪われた。
隼人は目を白黒させる。
「やめろよ!!!雲雀…!!!!」
隼人は恭弥を両手で押し、距離をとった。
恭弥の目は虚ろで、焦点が定まってなかった。
「骸……骸……」
うわ言のように呟く恭弥を見て隼人は身の危険を感じた。
(なんかヤベェ…)
少し恐怖を感じた隼人はケータイを取り出し、電話をかけようと操作した。
ガチャン…!!
大きな音がして隼人は呆然としながらたっていた。
音の原因は恭弥が隼人のケータイを床に叩き付けたからだ。
「っにすんだよ!!」
隼人の声をムシして恭弥はケータイを踏み付ける。
隼人は恭弥の腕を掴み、止めようとする。
止まらない止まらない。
…止まらない。
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