あれから…

4/4
前へ
/4ページ
次へ
「…何が言いたいの?」 隼人はピラッと写真を恭弥に見せた。 その写真にはにこやかに笑う骸と恭弥の姿があった。 「あんたあいつといる時、いつもこんな顔してたんだぜ、笑えるよな。」 恭弥はその写真を見て顔を強ばらせその写真を手にとった。 「…あの時が一番幸せだったからね。」 そして“もう一度だけ逢いたいよ” と呟くと恭弥は顔を歪ませ写真をクシャッと握った。 「…泣くな。テメーらしくねぇんだよ、群れんのが嫌いなんだろ? だったら人に依存してんじゃねぇ。」 隼人はわざと冷たく言ってのけた。 恭弥は隼人を見つめながら悲しそうに微笑した。 「…泣くわけないでしょ。まさか君に励まされるなんてね」 恭弥は隼人を見つめながら微笑し、隼人の髪を撫でた。 「別に励ましてなんかねぇっ」 隼人は恭弥の手を払い除けると、警戒するように唸った。 だが、恭弥と目が合うと隼人は口の端をつり上げて笑った。 「せいぜい苦しめよ、じゃあな」 そう言い隼人は恭弥の隣りを通り過ぎた。 「待ちなよ。」 パシ…ッ 恭弥は隼人の腕を掴むと引き寄せた。 「っ‥ひっぱんなよ‥いてぇ……………………………………………………………………………………雲雀???」 隼人は固まった、 恭弥の顔が近付く、 「ぉい…雲雀…!??」 ガタタッ 強い力で腕を押さえ付けられ隼人は恭弥に唇を奪われた。 隼人は目を白黒させる。 「やめろよ!!!雲雀…!!!!」 隼人は恭弥を両手で押し、距離をとった。 恭弥の目は虚ろで、焦点が定まってなかった。 「骸……骸……」 うわ言のように呟く恭弥を見て隼人は身の危険を感じた。 (なんかヤベェ…) 少し恐怖を感じた隼人はケータイを取り出し、電話をかけようと操作した。 ガチャン…!! 大きな音がして隼人は呆然としながらたっていた。 音の原因は恭弥が隼人のケータイを床に叩き付けたからだ。 「っにすんだよ!!」 隼人の声をムシして恭弥はケータイを踏み付ける。 隼人は恭弥の腕を掴み、止めようとする。 止まらない止まらない。 …止まらない。 .
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加