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その後ろ姿は[弱い者は喰らうに値しない]と言わんばかりだった。
「あ……ぁ……ぁあ…」
若い男が1人、辛うじて首だけが残った女性を抱き締めて嗚咽していた。
「うぁ…あ!あ…あああ!メ…ラ……ク!」
男は名前をつぶやくと泣いた…。
泣いて泣いて泣いて涙を全て出し切る程に…。
人目すら意に介さない程、泣き続けた。
もはや、その目からは涙は出ておらず喉も潰れていた。
「っ!っっ!!」
声すら出ない男は泣き終えて頭を上げた。
その顔からは優しさの一片すら無く…恨み、憎悪、憤怒が滲み出ていた。
男はゆっくり抱き締めて手にしていた女性の首に目を移した。
その首から毛髪を数本抜き取り、男はあろうことかその残った肉片を喰らい始めた。
頬部分に残っていた肉を喰らうと落ちていた石で骨を砕き、大きな塊を手にして残りを片付けると歩き始めた。
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