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肉を引き裂き、骨が砕かれる音…。
そこに木霊する悲鳴。
「やめろぉおおおお!」
叫んでも叫んでもソレは止まらない。
何故ならばそれは食事、生命の維持に不可欠な事だからだ。
「やめてくれぇええ!!」
男の声が響くがその声は虚しくかき消された。
食事を済ませたソレはまるで百獣の王を思わせる姿をしていた。
口元には紅い血と共に若い女性の物らしき片腕が垂れ下がっていた。
血の匂いで気付いたのかそれを振り下ろし再び口にする。
黒い百獣の王はその僅かな肉を平らげ満足したかのようにその場を後にした。
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