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ミクとミクオ (ミク+クオ)
あるところにある動画サイトで人気の歌姫がいました。
その歌姫の人気は大層なもので、その人気の影には彼女の涙ぐましいまでの努力があったのです。
そしてそんなある日。
彼女の家に一人の居候がやってきました。
彼の名前は初音ミクオ。
ミクをもとに造られた男性ボーカロイドでした。
(私の努力も知らずに私の名前を使って人気になろうなんて、百年早いのよ。このガキ。)
ぎりぎりぎりと歯軋りをしつつミクはミクオをじっと見つめました。
するとミクオはそんなミクの内心を読み取ってか、はん、とミクを鼻で笑ったのです。
(アイドル?あんなガキが?そんなの俺が引きずり落としてやるよ。だって今やニコ動ユーザーは女性が多いんだよ。腐女子ファンを見方につけりゃぁこっちのもんだぜ。)
そんな腹黒い内面を二人はもちつつもお互いにこりと笑い。
握手をする。
「初めまして!初音ミクです!皆からアイドル扱いされちゃってて正直困ってるんだ。でも、歌で皆を幸せにできるからミクは幸せなの。」
得意のアイドルスマイルで健気にそう言えば、その場にいたアイス野郎がくらりとそのまま倒れた。
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