理想

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  「柳田はチキンだなぁ。警察が来ても登校中なんだから、同じセリフ言い続ければ良いのに」 「霧墨さんは自分の彼氏を犯罪者か、精神患者にしたいんですか…」  通報された後、僕はダッシュでその場から逃げ出し、マイホームに逃げ込んだ後、霧墨さんも呆れた様な顔しながら、土足で家に上がって来た…。 「どうした事かな~彼氏が私の理想を聞き入れてくれない」 「じゃあ…霧墨さんがもう一回だけ、僕の要望通りにしてくれたら、何回でも何でもしますよ」 「ふーん、良いよ。言ってみな」 「今から女子の制服に着替えて来て下さい」  僕の要望を聞いた瞬間、霧墨さんは口元を引き攣らせながら僕から後退りした。 「ほ…本気?」 「はい、ほら早く着替えて来て下さいよ」 「じょ、女装するぐらいなら! 裸を晒した方がマシだあぁぁーー!!!」  発狂した様に叫びながら、走り去っていく霧墨さんを見送りながら、僕はそそくさと制服を着た。
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