33人が本棚に入れています
本棚に追加
する事も無かったので、覆面君を観察する事にして見ていたら覆面君は、めげずに新しい獲物を見付けた。
僕の時と同じ様に近付いて行ったが覆面を取られてしまった…片手で一生懸命顔を隠し、必死に覆面を取り返そうと頑張る覆面君の姿に誰もが胸を打たれたに違いない……観察飽きたな。
「ぎゃぁああー!!」
覆面君の観察も飽きたので、外を眺めていた時…覆面君の方から悲鳴が聞こえたので、振り返ると目を抑えてる男子から覆面を取り返した覆面君の姿が目に入った…目潰しは卑怯だぞ。
冷めた眼で覆面君を見ていると素顔の覆面君と目が合ってしまった…ニッと笑って、こっちに来る覆面君。
「素顔…見られちまったな、俺の気持ち受け継いでくれ」
そう言うと散々引っ張られて、延び延びの覆面を僕に差し出して来た…。
「…分かった」
延び延びの覆面を受け取ると覆面君は、満足そうに僕に背中を向けて歩き出した。
「最後に聞いていい? 君…誰?」
「直ぐに分かるさ」
覆面君の決め顔なのだろう…またニッと笑うと歩き出して、僕の真後ろの席に座った…。
本当に直ぐに分かってしまった…僕が覆面を投げ返したのは言うまでもない。
最初のコメントを投稿しよう!