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この飛空艇は古くて、今にもぶっ壊れそうな勢いだったが、夫婦は平然としている。
しかし、ボロ故の揺れによってケビンは生と死の狭間を彷徨っている。
「ウヴォォォォォォォォォ!!!」
決してハ○ター×2の今は亡き旅団の一人を呼んでいるわけではない。
おばさんが用意してくれたバケツに激しくぶちまけているのだ。
「(これはまさかの展開だ……、故郷の星を見て感動することもできないとは……不覚!)」
吐いては、また吐き、吐いては、また吐き。
そんなことを繰り返しているうちに、ケビンは意識を失っていた。
―――そして、目が覚めた時
「着いたよぉ!砂漠の星『デザード』。そしてその中でも中心の都市『バサラ』だ!」
おばさんの元気な声で跳び起きた。
船内の一室のベッドで寝かされていたようだが……、とりあえず感想は……。
「暑いぃぃぃぃぃ!!!」
思わず掛けてもらっていた毛布を振り払った。
「アッハッハ!そりゃそうだろうね、この星の温度は他に比べて高いから!」
「おおよそ2度だな。」
「低っ!?」
「じゃぁ、4000度くらい?」
「死!?」
この二人の漫才でとりあえず、目は完全に覚めた。
だが、どうにも体はなかなかうまく動かない。
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