プロローグ

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そして、青年の家のお隣さんで彼のお兄さん的存在であるバイティーゼ・ポストンを発見するとすぐさま木の上から呼びかけた。 「ポストン!!!」 するとポストンは木の上にいる青年を発見して殴るようなジェスチャーを見せながら言った。 「ポストンさんだろ!それより早く帰るぞ!お前のじっちゃんカンカンだぞ!」 その『じっちゃん』というワードを聞いた直後、青年の表情が強張る。 さらに額に汗をかく彼の様子から『じっちゃん』というのが彼にとって恐怖の対象であることは間違いない。 「わかったよ、急いで帰ろう……じっちゃんの怒りが頂点に達しないうちに」 そういうと彼は木から飛び降りてバイティーゼと合流した。 そして樹海の入り口の方へと二人で歩いて行く。 まだ、昼過ぎだというのに辺りは暗く、嫌な雰囲気が流れている。 青年の方は慣れているようだが、ポストンの方はあまり落ち着いてはいられないらしい。 「いつも思うんだが……ここら辺てクマとかでるだろう?お前っていつも一人で来てるけど会ったりしないのか?」 「う~ん、クマは10頭くらい狩ったかな?」 「えぇっ!?」
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