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「うわっ!?なんだ!?」
次の朝、ケビンはいつもより早く起きた。
原因は外から聞こえたとんでもないほどの人の声だ。
まだ、さめきらない垂れた目で部屋の窓を開き、外を見る。
そこでは多くの人が慌てふためいていた。
その中にはポストンの姿もあった。
それを発見したケビンは起きたばかりでまだ大声の出ない喉に鞭打って叫んだ。
「ポストン!!!何があったんだ!?」
すると、その声に気づいたポストンはすぐに叫び返した。
「樹海になんかデカイのが落ちたんだって!みんな火事起きるんじゃないか心配してる!」
なるほど、たしかに隕石だろうとなんだろうと落ちたのなら火事に発展する確率は高い。
が、誰もがビビって樹海に近づこうとすらしない。
「大冒険の予感……!」
彼が冒険にこだわるのには理由がある。
このロミナーズに住む気のいい爺さんアルスレイド・チャル。
自称元冒険者である彼の話は子供のころのケビンの唯一の楽しみであった。
雪の降りやまない星、星のほとんどが砂漠で占められている星、聞いているだけでわくわくした。
だが、子供のころ聞いたそんな冒険談は成長に連れ失われていくものである。
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