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現実にポストンは、一時はケビンと一緒に旅へ出ようなどと言っていたが、今では漁師になることを決めて村には親が決めた許嫁、もはや冒険がどうの言ってるような人ではなくなっていた。
それは普通だし、別に悪いとも思わない。
だが、それでもケビンは冒険への夢を捨てなかった。
そしてその子供のような好奇心が、本能が、その落下物のところへ行けと言っている。
いまの彼に、その本能を止める術も、理由もなく、部屋の隅に立てかけてある身の丈ほどもある刀を手に取り、外へ飛び出した。
そして、家の中でその姿を見ている一人の男。
彼の祖父であるガーテール・アステムルは一つの写真を手にため息をついた。
その写真には背が高く、満面の笑みを見せているケビンにそっくりな30代前後の男が映っている。
「やはり、血は争えないのかね?キースよ。ケビンのやつ、日に日にお前に似てきて……俺は嬉しくも怖くてたまらない。いつかお前のような最期を迎えてしまうのではないかと……。」
祖父の心配をよそに、ケビンは全速力で走っていた。
隕石、UFO、エイリアン、はたまた他の何かか。好奇心が止まらない。
そうして、煙の立っている落下物の場所へと木から木へ飛び移りながら突き進んでいく。
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