白と黒が混ざるとき

１

私と薫の関係が変わったのは
ルームシェアをし始めて三ヶ月が経った時。

その日、私は両親から正樹と近い内に結婚するようにと言われた。

理由はいわゆる、政略結婚。

父はもっと自分の会社を拡大したいが為に自分の娘を結婚させる。

正樹と付き合えとすすめたのも父だった。

私は分かっていた……ただ、親のレールの上に乗っているだけだって事を。

シェアハウスに帰ってもその事ばかり考えていた。

好きでもない人と結婚しなければならない。
確かに、正樹は凄くいい人だし
中学時代から知ってる仲だけど
私が正樹に抱く感情は友達としての好きだった。

私が正樹と付き合わないと言う選択肢を選んだときは、私が今の生活を捨てる時だと思う。

でも今の私には、お金に何の不自由もない生活を捨てる覚悟なんて無い…──。