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『どうしたの?部屋の電気も付けないで』
薫が家帰ってきてそう言われてから、もうすっかり辺りが暗くなった事を知った。
「あ……ごめん」
『とりあえず、ほら飲みな』
薫はそう言ってココアを渡した。
「……ありがとう」
薫は何も聞かなかった。
私に何があったとか、何で泣いているかとか……。
ただ、冷えきった体の私に、ココアをそっと渡してくれた。
その何気ない優しさが凄く嬉しかった。
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