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「何で涙止まらないんだろ…… バカみたいだよね、私」 そう言って私はリビングから自分の部屋に行こうとした時だった。 『……咲、もう泣くな、泣き止むまでずっと側に居るから』 薫はそう言って私を後ろから抱きしめた。 この時、私は薫の体温が妙に心地よくて、このまま時間が止まればいいのにとさえ思った。 「薫……私おかしいよね 正樹の事好きじゃないのに付き合い続けて、全部嘘で塗り固めてるなんて」
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