現実

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お姉ちゃんには何故か言えなかった。 私はそのまま帰宅した。 そして、お母さんとお父さんに今日の出来事の話をする。 『今まで優輝だけに愛情を注いでたからね。急にママがとられたみたいで少し寂しいんでしょう。 でも、優輝がお兄ちゃんとして生まれてきたのは運命だし、優輝がちゃんと愛されてるってことに気づいて自分に勝つしかないものね。お母さんとか、あんたはいっぱい甘えさせてあげなきゃね。』 お母さんが言った。 私は三人姉妹の一番下で、姉たちとは少し年が離れているから、めいいっぱいの愛情を浴びて育った。 21歳になった今で、可愛がられてるくらいだし、しかも私にはまだ子供を産んだ経験がない。 だから、愛情うんぬんがあまりよく分からないのも事実。 寂しさを感じた経験もあまりない。
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