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トロンボーンのマウスピースはトランペットに比べて大きい分、鳴りやすかった。
トランペットが全然鳴らなかったのでトロンボーンも鳴らないかなと半ば諦め気味で吹いてみると、意外と簡単に音が鳴った。
そのことがすごく嬉しくて、先輩に教えてもらったドレミファソラシドをずっと吹いていた。
その日の見学を終えた私と優子は、次の日も見学に行った。
そして体験入部最終日。
自分が希望する楽器の所に行って、楽器決めが行われた。
私は一番最初に魅力を感じたトランペットを希望した。
優子はフルートにしたみたい。
トランペットの所には私を含め三人いた。
その内入れるのは二人だけ。
ジャンケンで決めることになった。
「最初はグー、ジャーンケンほい。」
一人はパー。
もう一人もパー。
私はグー。
負けてしまった。
私以外にも第一希望の楽器になれない子が何人かいたが、みんなよっぽどその楽器になりたかったのか泣いていた。
私はというと、別に負けてもそんなに悔しくはなかった。
だけどトランペットになれるものだと思っていたから第二希望の楽器を決めていなかった。
何にしようかなと考えている時思い浮かんだのが、トロンボーンだった。
“かっこいいしトロンボーンでいっか”
すごく単純な理由……。
トロンボーンでいっかって…(笑)
だけど、見事トロンボーンパートに入れることになった。
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