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「ふう……」
本日何度目かのため息。
「……くすっ」
すると、隣から小さな笑い声が聞こえてきた。ルナは『ん?』とつぶやきながら隣を見る。
「あ、ごめんね。ちょっとおかしくて……」
そう言いながら隣の席に座るのは、自分と同い年くらいの青年だった。
ふわふわした淡い金髪。左耳には十字架――クロス――のピアスを付けている。
「君も、戦闘学科生なの?」
「そうだよ。……だからこの教室にいるんだよ」
「あ、うん。ごめんね? なんか、全然戦闘学科生には見えなくて……」
ルナは申し訳なさそうに青年に謝った。
青年はぱっと見、あまり強そうには見えない。体つきはどちらかと言うと華奢で、セミロングの髪のせいか、女の子にも見えてしまう。
「よく言われる……本当に強いのか、って」
再びクスクスと小さく笑う。整った顔のせいか、とても綺麗な笑顔だった。
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