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「…早く行こう…。」
「お前が言うな!」
拓郎と浩平、哲哉の声が揃った。
たかしが泥だらけになった服を見て気持ち悪そうにしている。
積み上げられた石の壁を見上げると、
ちょうど野球部の部室が見えた。
その下に頭を下げれば通れるくらい大きな水路がある。
この水路は校庭の水捌け用の水路だ。
哲哉が下に落ちてるロープを拾うといっきに駆け上がった。
「ブー落ちんなよー。」
と言いながら学校の柵に結び付け、
水路の中に入って行った。
「ブーは泥だらけだから最後!」
言いながら美幸と麻衣が上がり、
たかしも続いてよじ登った。
全員水路に入ると哲哉がにやけながら言った。
「落ちなかったなー。」
みんなちょっと期待してたみたいだ。
水路の奥を見ると右側が少し明るくなっている。
20メートルくらい先がL字に曲がってて、
4、5歩で行き止まり、
その上が鉄網のフタになっていて月明かりが入り込んでいる。
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