イトデンワ

１

遥流斗は赤い糸を
ポケットから出すと
私の携帯に取り付けようとした。

「ちょっと…

何してんの!?」

私は遥流斗に聞いてみた。

「うん、ちょっとした自己流のおまじない…」

そう言いながら赤い糸を私の携帯に取り付けたと思ったら携帯を私に返し、今度は自分の携帯を取り出した遥流斗。

自分の携帯にも私と同じ赤い糸を取り付けた。

「ほらっ、こうしてれば、いつでもオレたちは繋がってるって思わないか？」

遥流斗は微笑みながら
こう言った。

どうやらストラップ代わりらしい。

ちょっと格好悪いけど…。

でも…何故だろう…。

彼の言葉を聞くといつも安心出来る。

何かとても不思議な感じだった。

「じゃあ、そろそろ」

遥流斗は、そう言って席を立った。

私も、それにつられて
一緒に立った。