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声がする方を見てみると酔ってるらしい聖也の背中をさすりながら俺を呼んでいる真広がいた。
聖也は膝を船の床に付き船の外に顔を出して、苦しそうにしている。
「夜ってば早く来てよー!!」
いやいや俺が行った所で何があるんだよ真広。
俺は医師でもないし、船酔いの薬も持っていないただの中学卒業生だぞ。
俺は頭をかきながら真広の方に歩きだす。
俺が真広達の側に着いた時には「聖也大丈夫!?」と言いながら真広は聖也を揺すっていた。
おいおい、揺すったら気持ち悪さ増すんじゃね?
その考え通りに聖也は苦しそうに真広に何かを伝えようとしているが、真広の揺すりに耐え切れず下を向く。
「聖也が酔ったって?」
「あっ夜! そうなんだよ。だからさすってあげてるんだよ」
俺の問いに答える真広は真剣でまさか自分の行動が聖也を苦しめているなんて思っていないだろう。
だけど、このままだったら聖也が可哀相なので聖也を助けることにした。
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