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車内にある無線機。榎本は無線マイクを手に取り発信ボタンを押した。
「17から800どうぞっ!」
「こちら800、17どうぞ」
「800から17。今からそちらに合流する。合流するまで、待機されたい。どうぞっ!」
「800了解!どうぞ」
「以上17」
無線を切った榎本の表情に変化はない。冷静沈着といった感じだ。
隣の若者は緊張している様子。ひたすら目的地を目指す。
「何分かかる?」
「はい。10分程で。」
「令状は?」
「はい。先程取れました。裁判所までかっ飛ばして取ってきました。対応がとろいんで急かしまくりましたよ。」
「余計な事はいい。渡せ」
「すいっ…。は、はい。」
榎本は若者を睨んだ。若者はスーツから封筒を取り出し榎本に渡す。
封筒から紙を取り出すとそこには逮捕状と書かれていた。罪名、詐欺罪。
「上出来だ、甲本。」
「ありがとうございます。これが刑事課初仕事でしたので、気合いれました。」
「こんなもんに気合なんか入れんな。お前何年目だ?」
「はい、今年で6年目です。ずっと交番勤務でした。憧れの刑事課なので、頑張ります!」
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