ヨーコ

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~ショットバー~ 薄暗い店内。カウンターにはバーテンダーと数人の客。テーブル席が5、6席あり、店の片隅にスーツ姿の男性が一人座っている。 男のスーツの胸元には、弁護士バッジらしき物が輝いている。黒渕のメガネをかけ、しきりに時計を気にしている。 「カラーン」 店の扉が開く。男は入口に目をやった。そこには女性が一人立っていた。女性は男と目が合い、男の席に歩いていく。 「おまたせー。」 「こんばんは、ヨーコさん。」 「今日は仕事早かったの?」 「切り上げてきました。」 「へぇ、珍しいわね。やっと私の魅力に気付いてくれたとか?」 「それは…、いつも思ってることですよ…。ただ…」 「何かあったの?コージさんらしくないわね。もしかして別れ話?」 「ち、違います。って、まだ付き合ってもないじゃないですか。茶かさないでください。」 「そうだっけ?私はそうは思ってなかったけど。まぁいいわ。それで何?」 そう言うと、しばらく沈黙が続いた。 沈黙に耐えきれずヨーコは話し出した。 「じゃあ、私の方から話すね。実はココロのことなんだけど…。」
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