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「大丈夫…もう、時雨には…」
蓮は時雨の髪を一束、優しく掴んで言う。
じっと時雨を見る目には強い決意の色が浮かんでいる。
時雨には蓮が言おうとしていることの続きがわかっていた。
きっと、ずっと、
待ち望んでいた言葉…。
「もう時雨には、誰も殺させはしない。」
はっきりと言った。
「山田リカ子が最後だからって言っても…あなたは許してはくれないのよね?」
悲しげに時雨は微笑む。
小さく蓮は口元を上げる。
だが、目は真剣に時雨を見ている。
「絶対にさせない…。
絶対に許さないから…。」
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