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翌日。
時雨は寝室に降り注ぐ朝日で目を覚ました。
まぶしい光が時雨の右目に当たり、目の前を眩ませる。
朝日をけだるそうに時雨は手で日光を遮った。
それでも、時雨はいつもよりも光が眩しくないと、心なしか思う。
時雨の隣にほんのり温もりがあるが、温もりの原因となる人間はもういないようだ。
ゆっくりと動いて風呂場へと行く。
あと少しで、月は11月になる。
時雨の脳裏に嬉しそうに、楽しそうに、
笑う山田リカ子の顔が浮かんだ。
そして、田口コウスケを殺している顔が。
不快そうに時雨は眉間にシワを寄せた。
「絶対…許さない…」
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