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それから早々と時間は流れ、11月に入っていた。
11月4日。
進展の無い状況に苛立ちながらも、時雨は情報網をフル活用して山田リカ子の行方を追っていた。
蓮も蓮で警察など、職権乱用で処分されるかされないか程度で情報収集を行っていた。
「蓮先輩、あんまり変な事してると怒られちゃいますよ?」
速水が沢山の資料ファイルを抱えてパソコンを操作する蓮を迫力に欠ける目で睨んだ。
「調べ事って言ってるでしょ?速水くん」
うるさそうに速水をわざとらしくあしらった。
「そうは見えないですよ?あ、課長が先輩を呼べって言ってましたけど…。」
速水の言葉に蓮は大きく息を吐いた。
この頃、調子のってやがる
速水のやろう…。
矢島が速水を誘惑している事に、蓮は薄々気付いているのだ。
「めんどくせー」
と言いながらも立ち上がり、パソコンの電源を落とす。
誰かが中身を見ようとしてもパスワード設定と指紋ロックで見れなくしてある。
今は少し、警戒を強めないと…。
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