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蓮は本当に面倒くさそうに一室に入った。
「失礼しまーす…」
その部屋はほとんど使われてないものが入っており、倉庫と化している。
両端のロッカーに物が積まれ、窓はたった一つだ。
その窓から外を眺めるように、一課の課長は煙草をふかしていた。
課長は蓮の先輩で直属の上司だったの相田の先輩だ。
相田が辞めてからは、蓮の面倒をなにかと課長がみてくれていた。
「どうしたんですか?こんな所に呼び出して…。」
神妙な空気を感じとり、蓮は後ろ手にドアを閉めた。
「一応、鍵、締めとけよ。」
そう言われ、蓮はドアノブに着いている内側から掛けられる鍵を締めた。
課長が煙草の煙を逃がす為に開けた窓を除けば、この部屋は完全な密室となるだろう。
慎重な面持ちで蓮は課長まで1mの所まで足を進めた。
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