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夕方、情報集めと買い物を済ませた時雨はマンションのエントランスにある自分の部屋の郵便受けを覗いた。
ほぼ毎日くる新聞。
そして、特定人物以外には住所を教えていない時雨の元に珍しく時雨宛の薄い水色の封筒が入っている。
細い字で“榊雨乃様”と書かれている。
ゾワッ、、、。
時雨は全身に警戒の色を出した。
“榊雨乃”の名前を知っているとしたら、数名の人間と父親、それにかなりの情報収集能力を持つ人間。
数名の中には、姉である永久子を殺したと言える山田リカ子が含まれる。
しかも父親はこんな字を書きはしない。
すぐに時雨は封筒の裏を見た。
だが、そこには送り主の名前が記載されていなかった。
「…?」
不審に思った時雨はすぐにそれを抱えて自室に向かうことにした。
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