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男…。
時雨に思い当たるのは、1人しかいない。
「蓮…。あの女、連を殺そうと…」
1人だけの室内で、時雨は思わず声に出してしまっていた。
表情を出さないようにとしてきた時雨だが、今回に限っては、困惑が手に取るようにわかる。
また、私の大切な物を奪っていく…。
いろんな感情が混ざり合い、時雨の手は、体は、小さく震えた。
だが、いつまでも時雨がそんな事をしている訳が無く、すぐに手紙が入っていた封筒を見た。
封筒の切手の上には、日付と郵便局の判子が押してある。
郵便局は時雨の住むアパートから割りと近い郵便局だった。
「…男…迷惑…クリスマス…姉さん…」
時雨のスイッチが入り、脳は高速に回転し始めた。
「雨乃…愛…異常…正常…」
時雨の中の時雨の公式に様々な単語が、
次々と代入されてゆく。
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