8

19/37

2617人が本棚に入れています
本棚に追加
/365ページ
男…。 時雨に思い当たるのは、1人しかいない。 「蓮…。あの女、連を殺そうと…」 1人だけの室内で、時雨は思わず声に出してしまっていた。 表情を出さないようにとしてきた時雨だが、今回に限っては、困惑が手に取るようにわかる。 また、私の大切な物を奪っていく…。 いろんな感情が混ざり合い、時雨の手は、体は、小さく震えた。 だが、いつまでも時雨がそんな事をしている訳が無く、すぐに手紙が入っていた封筒を見た。 封筒の切手の上には、日付と郵便局の判子が押してある。 郵便局は時雨の住むアパートから割りと近い郵便局だった。 「…男…迷惑…クリスマス…姉さん…」 時雨のスイッチが入り、脳は高速に回転し始めた。 「雨乃…愛…異常…正常…」 時雨の中の時雨の公式に様々な単語が、 次々と代入されてゆく。 .
/365ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2617人が本棚に入れています
本棚に追加