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11月12日。
「山田リカ子はもしかしたら整形などをしてるかもしれないな…。」
いつかの倉庫で課長はそう粒やいた。
近頃はここに集まる事になっている。
「整形…ですか…。そうなると、かなり厄介ですよね、これだけ足取りが掴めてなくて顔が変わってるなんて…。」
壁にもたれ掛かって腕を組む蓮の顔には小さな疲労が浮かぶ。
「お前の方は良い情報入ったのか?」
煙草に火をつけて課長が聞いた。
蓮は大きく頭を振った。
「身寄りもなし、同級生なども“暗い”と口々に言うだけで他に繋がりは無さそうですね…。友達と言える存在はいないと言えるでしょう。」
「厄介だなぁ…。」
課長は煙を吐いて天を仰いだ。
「はやく捕まえなきゃいけないんです。」
カツカツと足を鳴らして苛つきを緩和しようとするが変わらない。
「急いでいいが焦ってはいけないぞ、蓮。何より、1番の基本的なことから潰していけ。」
「はい…。」
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