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11月13日。
時雨の方も未だ山田リカ子の行方を掴めずにいた。
結局は時雨の前に姿をリカ子は現すが、どこにいるのかを知っている方が心に余裕が生まれるという事を知らない時雨ではない。
ボスッ、、、
疲労や苛立ちを、落ち着かせるために時雨はベッドに身を投げた。
「はやく…」
時雨は無意識に呟いていた。
「何を焦ってる?」
急に入り口から声がして、時雨は勢いよく体を起こした。
「蓮…」
黒のシャツに黒のパンツ。
時雨と蓮が会うのは久々だった。
「課長に言われちゃったよ。焦るなってな…だから落ち着かせる為にここに来てみた。」
そう言うと蓮は、にこっと笑いベッドの縁に腰をかける。
「見つからないか?」
蓮の質問に時雨は小さく頷いた。
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