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辺りに誰もいない事を確認し、時雨はマンションに監視カメラを取り付けた。
マンションを写しているかのように見せかけ、カメラはマンションの周りを写すようにする。
その後、車に乗り、ある人物の元へと走らせた。
ある人物とは、金額を多少払えば、どんな人間でも整形手術を請け負う医師免許の持たない人間だ。
いわゆるヤブ医者。
ヤブ医者がいると言われている辺鄙なビルへ着くと、何度となく使った拳銃を時雨はそっとコートの内に忍ばせた。
くすんだビルの2階へと行き、段ボールが散らばる廊下を歩く。
奥から2つ目のドアをゆっくりと時雨は開けた。
「すいません、誰かいますか?」
と部屋の中を見回しながら言った。
部屋は物が散らばっていて、真ん中のデスクには飲み掛けらしきコーヒーがある。
部屋の左には、奥の部屋に繋がるドアがあった。
もしかしたら、
奥で手術をしてるかもしれないな…。
と時雨が思ったとき、そのドアががチャリと開いた。
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