2617人が本棚に入れています
本棚に追加
/365ページ
背中を強く打ち付けた大塚は、一瞬、息を止めたが、すぐに床に倒れて咳き込んだ。
「てめ…っ」
と起き上がろうとした大塚の額に、ヒンヤリとした硬いものが当たった。
この世界で何年もやってきている大塚は、自分が置かれている状況を理解し、動きを止めた。
「何が…目当てだ…?」
額に銃を突きつけられ、大塚からは時雨の足しか見えず、表情からは何も伺うことができない。
「本当は、資料が残ってればと思ってたんだけど…こうなっちゃ仕方ないから、直接聞くね。」
凛とした静かな声に、幼さが混じってるのは…。
コイツ…楽しんでやがる…。
こういう奴らは、
人を苛めるのが好きだからな…。
大塚は知らぬ間に脂汗をかいている自分に気付いた。
怖いのか…。
最初のコメントを投稿しよう!